「いやあ、にしてもこのネックレスは嬉しかった」
「はあん、よかったね」
自分でもわかるほどに嫌味たっぷりな言い方で返すと、
みいは「ごめんって」と困ったように笑った。
「でも本当、里香ならすぐ見つかるよ、いい人。背はちっちゃいし、顔もかわいいし」
「顔に対する褒め言葉だけ素直に受け取っておくよ」
「背がちっちゃいっていいじゃん。男としては守りたくなるんじゃない? まあ、実際の男の気持ちはわかりかねるけど」
ハハッ、と軽く笑うみいに対し、わたしは深いため息をこぼす。
「あーあ、彼氏欲しいなあ……」
こんな餃子むすびなどを食しているようでは当分の間見つからないだろうかと思いつつ、わたしは大好物の餃子むすびにかじりついた。
餃子むすびとは、その名の通り焼き餃子がまるまる1つ入ったおむすびだ。
三角形のおむすびのてっぺんからひょこっと顔を出している皮の一部がチャームポイント。
小さなスマイルがたくさん描かれたお気に入りの黄色い弁当箱の下の段には、基本的にこの餃子むすびが2つ入っている。