「ああそうだ。で、その横断歩道彼氏がなんだって?」
ため息をついてから話を振ると、みいは「横断歩道彼氏って、なんか嫌だ」と笑った。
「ああ、でまあ、翔ちゃんがさ。誕生日プレゼントにこれくれたの」
みいは自慢気な笑顔とともに身を乗り出すと、胸元に輝く小ぶりなハートのネックレスを見せつけた。
「ふうん……。しっかし楽しそうだな」
そういえば誕生日はいつなのだと尋ねると、みいは「昨日だよ」と楽しそうに答えた。
「へえ、おめでとう。5月28日ね」
覚えとく、と続けると、みいは「ありがとっ」と女のわたしがかわいいと思える言い方で言った。