ワイシャツにキャラメル色のブレザー、
赤い無地のリボンに赤地に黒線でチェックが描かれたプリーツスカート
という制服に着替え、1階におりた。
家族に毎度やかましいと言われるくしゃみをしてからリビングに入る。
ダイニングチェアに座る弟に「里香のくしゃみってなんでそんなうるせえの?」
と言われると同時に美味しそうな匂いが嗅覚を刺激したが、
不思議なことに体はその匂いの正体を求めはしない。
わたしのくしゃみがうるさいと言う弟に、
「あんたの夕方のテレビゲームの音も十分うるさいわよ?」と返す。
わたしはこの弟が大嫌いだ。
彼はわたしより5歳も下の、小学校6年生。
高校生のわたしを馬鹿にしまくる上、
身長はわたしをゆうに超え、小学生のくせに160センチもありやがる。