「相手から告白されちゃったとか言うんじゃあんめ?」
「そのまさかだよ。翔と別れたとき、
もしもあんたが次の女の子と別れてわたしのところに戻ってきたら、
そのときはあんたよりずっとずっといい彼氏を捕まえたわたしが振ってやるって言ったのね。
それを今の彼氏にも話してて、今の彼氏が彼氏になるとき、
『あいつを振るなら俺がその理由になってやるよ』って言ってくれたの」
実際はもっと柔らかい言葉だった気がするけど、とわたしは付け加えた。
ゆうはなぜか笑っている。
「里香まさか、遠山くんと別れるときに『次の子に振られたらわたしのところに戻ってきてもいいよ』みたいなこと言ったの?」
「……言ったけど?」
わたしの言葉に、ゆうは小さく噴き出して笑った。
「えっ、なになに。そんなに面白い?」
「いやいや。遠山くん、『俺よりいい男なんかいるわけねえじゃん』みたいなこと言って怒っただろうなあって想像したらおかしくなっちゃった」
「……なんかゆう、ハイレベルな高校に行ったら透視能力身につけた?」
全部当たってるんだけど、と言うと、ゆうはやっぱりなあ、と笑った。