最近は文房具にもお洒落さを求められる時代なんだなと考えながら

ここしばらくしっかり見ていなかった文房具コーナーを楽しんでいると、「あれっ?」とかわいらしい女の子の声が聞こえた。

年齢は恐らく、わたしと同じくらい。

その声の聞こえたほうを見てみると、懐かしい顔があった。

「……えっ、ゆう?」

確認のために彼女によく似た顔の持ち主の名を言うと、目の前の彼女は安心したように笑った。

「里香? 里香だよね?」

「里香だよ。藤崎」

「うわあ、久しぶりー」

彼女は嬉しそうに両手を振った。

「やっぱりゆう?」

「ゆうだよお。里香、元気だった?」

「なんとかね。生きてはいたよ」

「いやあ……なんか嬉しいなあ」

まさかこんなところで再会するとはね、とゆうは言った。

「学校はどう?」

わたしは訊いた。

「まあ……まあ……って感じかな」

「あまり楽しくはないと?」

「つまらなくはないけどね。ただ、周りがみんな勉強が好きな人だからさ。話についていけない部分はある」

「そうなんだあ……。ゆうがついていけないんじゃわたしじゃ大変なことになるね」

ゆうは「そんなことないよ」と笑ってくれた。

「1年間でかなり偏差値上げたじゃん。あっ、里香のほうはどう?」

「それなりに楽しいよ。勉強は地獄だけどね。2年生になるのもぎりぎりだったよ」

「本当に? よかったねえ」

「まあ、してよかったのかわからないけど、2年生に上がれたときはちょっと安心した」

「そうだよね。普通だと思う」

「本当?」

ゆうは「あたしなんてぎりぎりじゃなくても安心したもん」と、馬鹿なわたしには遠回しな自慢とも受け取れる言葉を並べたあと、

「今度は3年生になるのと卒業することが目標だね」とわたしの肩を叩いた。

「まあ来年に卒業できるよう、頑張ってはみるよ」と苦笑する。