家に帰ると部屋へ直行し、すぐさまファッションショーを開催した。

買った3着のジャージを着、梅おむすびのシールを貼った黄色いプラスチック製の手鏡に自分を写す。

3枚着てみた結果、薫くんに勧められたオレンジ色が1番気に入った。


数日後、わたしは大量に課せられた宿題を教えてもらうことを1番の目的とし、小野寺家にお邪魔した。

わたしは近所の図書館を提案したのだが、

薫くんが母親の頼んだ荷物が日中に届くために家を空けられないと言うので、小野寺家にお邪魔することになった。

後日気にせず出掛けられる日にするかとも言ったのだが、荷物の受け取りなどすぐに済むから構わないと薫くんは言ってくれた。


薫くんの家からほど近い、昨日と同じ服屋で待ち合わせた。

服屋から小野寺家は本当に近く、のんびり漕いだ自転車で5分ほどで着いた。


小野寺家は、白を基調とした洋風のかわいらしい爽やかな建物だった。

和風とも洋風とも言えない中途半端な藤崎家とはまるで違う。