7月に入ってから、再び席替えが行われた。
みいに薫くんと付き合ったことを告げたため、席順は今までと同様くじき引きで決められた。
わたしが引いたくじには、20という数字が書かれていた。
窓際から4列目の1番後ろの席という意味だ。
「わたし座高低いんですけど……」と呟くと、「小野寺何番?」という男子生徒の声が聞こえてきた。
薫くんどこになったんだろうと思い耳を済澄ませると、「24」という薫くんの声が聞こえた。
24となると、わたしの右斜め前の席になる。
「やった」と勝手に喜んでしまうと、
「あれっ、里香なんであたしが25番だってわかったの?」と耳元でみいの声がした。
「……えっ?」
「あたし、25番。里香20番でしょ? 隣の席なの」
仕組んでないのにね、とみいは笑った。
そしてわたしにぐっと近づいてきたかと思えば、
「小野寺くんと近くの席でよかったじゃない」と囁いた。
ぞっとして10センチ上にあるみいの顔を見ると、彼女はにやりと口角を上げた。
「やった、あたし里香と隣いっ。幸せな1か月だわあ」
みいは嬉しそうに言うと、くじとともに自席へ戻った。
わたしも窓際の自席へ戻る。