いつ伝えよう、
どう伝えよう、
なんて伝えよう――
と考えているうちに、夜は明けていた。
眠気はあったが、 いつどこでどのようになんて伝えようかという賑やかな脳内のせいで眠りにつけなかったのだ。
一睡もしていないのに眠気を一切感じないという不思議な状態で登校すると、
窓際の中央寄りの列、前から3番目の席では、王子様がせっせと計算をしていた。
以前は変態呼ばわりしていたその姿が、恋の魔法で美しく見える。
恋とは一体全体何者なのだと考えた。
答えの出ないままに荷物の片付けを始めると、今日も薫くんを驚かせた。