放課後、わたしはそれ以上はないほどにそわそわした帰り道を歩いていた。


明日、わたしは薫くんとともに日直を担う。

接触するのは普段より多いはずだ。


まず彼自身の好きな人を訊くか。

しかしその場合、いると言われたらこちらの想いを告げるのは難しくなる。

となると、やばいやつだと思わせるくらいの気でタイミングがつかめ次第伝えるか。

ではそうするならば、言葉はどうするか。

薫くんのいいところを伝え、その流れで好きだと言うか。

そんな面倒の臭いことをしないで、簡潔に伝えるか。


いくつもの思考で賑やかな頭で玄関前に辿り着くと、わたしはお辞儀をするような形で扉に頭をつけた。

その頭を抱えるようにし、「ああ……」と5秒ほど声を出した。


明日にでも伝えなくてはならないというのに、まとまらない。

考えが、全くまとまらない。