「笑い事じゃないよ。本当にぎりぎりだったんだから。下手したら今、みいが先輩になってたかもしれないんだよ?」

未だ笑い続けるみいに、「本当に」と真面目に言う。

「いや、この学校で4年生以上になっちゃだめでしょ」

ぷははともう一度噴き出すと、みいは

「でもなんか里香ならありえそう」とわたしの心に深い傷を残していった。

箸を持つ右手の甲で口を押さえ、整った顔をくしゃくしゃにして肩を震わせている。

わたしはふんっと鼻で笑うと、

「今のうちに笑っておきな、来年は同級生でねえかもしれねえから」

と言い、愛する餃子むすびにかぶりついた。