「リアーナ様、こちらがルシアン様のおへやでございます」
「案内うりがとうございます、アリス」

ドアを開けたが、ルシアンの姿は見えない

「ルシアン様はいらっしゃらないのね、、」

「はい、ルシアン様はご公務の時間ですのでお部屋には夜まで戻って来られないかと」

「そう、、。あの、アリス、早いですけどお風呂の用意をしていただいてもいいかしら?」
攫われた感触が残っているようで、、、早く洗い流してしまいたかった

「畏まりました、準備をしてまいりますのでお部屋でお待ちください」

そう言うと、アリスは戸を閉めて歩いて行った

ルシアンの部屋に1人になったリアーナは部屋をぐるりと回ってみた

棚にアルバムが置いてあった

「ルシアン様のアルバムかしら、、、」
手持ち無沙汰だったリアーナはアルバムを取り出し眺める

中には幼い頃のリアーナとルシアンの写真がたくさん

「小さい頃からルシアン様は私の素敵な王子様だった、、、なのに、、、」

涙がこみ上げてきた

何故ルシアンが私を攫うなど強硬に出たのか、、、
今はルシア様が怖い

コンコン、、、
「リアーナ様、フェルナンドでございます。」
フェルナンドとは、ルシアンの執事で、リアーナも知っている
「はい、どうぞ」
涙を拭い扉を開ける

「お久しぶりでございます、リアーナ様」
「お久しぶりですねフェルナンドさん。あの、ルシアン様はご公務中なのですよね?」
「ええ、そうです。リアーナ様にご挨拶がまだでしたので少々抜けてまいりました」
昔から知っている、変わらぬフェルナンドの微笑みにホッとした
「お忙しいのに、ありがとうございます。なんだかフェルナンドさんの変わらぬ笑顔に癒されます」
「リアーナ様、実はルシアン様のことでお伝えしたいことがあります」
「、、、はい」
ルシアンの話と聞き少し身構えた
「ルシアン様はいつもリアーナ様の事を思っていらっしゃいます。強引に見えることは多々ありますが、どうか我が主人を信じて差し上げて頂ければと思います。」
「、、、」
そうしなきゃとは思っている、しかし素直にそう思えないのだ
「大丈夫です。ルシアン様は必ずリアーナ様をお守りします」
「ですが、私はこんな形を望んではいませんでした、、、」
「その件について今は詳細をお伝えできませんが、今もリアーナ様が昔からご存知のルシアン様とお代わりはございません。」
「私が昔から知るルシアン様、、、」
先程みていたアルバムで思いだされたルシアンの姿が目に浮かんだ
「そうですね、ルシアン様にも何かお考えがあるはずですね。私、自分の事ばかり申して恥ずかしいです」
「そんな事ありませんよ、是非その柔らかな笑顔をルシアン様にも見せて差し上げてください」
「はい」