リアーナはここ最近の激動にすっかり心が疲れてしまっていた
両親に会えず、容態も悪いと聞き、常に緊張状態であるなか、ルシアンとの婚約解消
離れに移り慣れない生活を送りストレスも頂点に達していた
自分の気持ちを素直に吐き出したかった

リアーナもルシアンが攫ったのではないだろうと頭では分かっていた
分かっていたが、ルシアンを拒絶してしまったそして、ルシアンが攫ったのだろうと、、言葉を止められなかった
言った後、我に返ったが遅かった
ルシアンは酷く傷ついた顔をしていた
その顔を見ると自己嫌悪がリアーナを襲った
もう頭の中が混乱状態だった、堪らず枕に顔を埋め泣いた

すると、ルシアンから耳を疑いたくなるような言葉が放たれた

「愛しいリアーナを他のものに奪われたくなかった」


驚きと衝撃を隠せず思わず身体を起こし、振り返る

「じゃあ、、、私を攫ったのはルシアン様なの、、、?」

先程あのように言ってしまったが、心の中では違うと思っていた

そんなリアーナをルシアンが抱きしめる

「私以外と結婚するなんて許さない、リアーナは俺のものだ」

「そんな、、、そんなことしたら叔父様が黙ってはおりません」
「わかってる。覚悟の上だ。」
「ダメです!私たちのために民の血が流れるのは耐えられません!早く私をフェルド王国お返しください」
「ダメだ、離さない。」
ルシアンが一段と強く抱きしめた

コンコン、、、

「失礼致します。お医者様を連れてまいりました」
ルシアンがリアーナからそっと身を離す
「入ってくれ」
アリスが医者と共にリアーナの元に来た
「終わったらリアーナを私の部屋に連れてきてくれ。それから、リアーナにはこれから私と共に過ごしてもらうので、必要なものは私の部屋に運ぶように」
アリスにそう伝えると、ルシアンは部屋を後にした