「あの合コンの後、一之瀬さんってば小山内さんのことすっげー気にしててさ。
そんなに気になるなら連絡してみればいいじゃないっすかって言ったら、聞いてないって言うもんで。
仕事ではバリバリ攻めるタイプなのにプライベートは奥手なんだなーって見てるとつい面白くって。」
「それであたしが、早坂くんに聞いたの。でも小山内さんの了承も得ないで勝手に連絡先教えるのもまずいよなーって思って、働いてるっていうカフェの事だけ教えたんだよね。」
ね、いうのは、南さんから青木さんへの問いかけ。

そうだった、南さんと早坂くんは同じ会社で働いていたはず。
「そうそう。その後何も言ってこないからどうしたもんかと思ってたんだけど、この間聞いてみたらもう付き合ってるって聞いて。さすが仕事ができる男は違うなーって。」
「あ、そうなんですか・・・。」
2人の弾丸トークと、そして付き合っているというワードに頭が付いていけない。
一之瀬さん、私たちが付き合ってるって、青木さんに話してるってこと、だよね。

「最近一之瀬さんが抱えてる件が結構厄介で、彼女のとこに行けないーってさっきぼやいてましたよー。」
周りに、そう言ってるんだ。
ちゃんと私のこと、’彼女’って、言ってくれてるんだ。

先ほどまでのもやもやが嘘のように、晴れわたっていく。
本当に、単純だ。