本屋さんでも寄ろうと向きを変え、曲がり角についたとき、反対から曲がってきた人とぶつかりそうになる。
とっさに避けて謝ろうとした時に聞こえてきたのは

「あれ、えっと、小山内さん!?」
「あ、実加ちゃん!」
という、テンションの高いカップルの声。

青木さんと南さんだった。

会ったのは合コンの時の一度きり、それも3が月以上前。
あの時は南さんが強気にアプローチしてたけど、成就したのかな。この雰囲気だと。

「久しぶりー!元気だった?」
南さんのあのノリは合コンだからかな、と思ってたけど、どうやら普段からこんな感じみたい。

「一之瀬さんと付き合ってるんでしょう?」
「えっ、付き合ってるって、そんなんじゃ…。」

今まさに自分でも気にしていることをさらりと言われしどろもどろになる。
確かに、会ってはいるんだけど。どうして南さんが知ってるんだろう。