「蛙姫!蛙姫!早くお逃げなせぇ!!」

源蔵は少し興奮気味に耳をぴんと立て

イーディスの肩に飛び乗りました

「とうとうあたし達の居場所が」

「名探偵に見つかっちまったんだね!」

「逃げるよっ!相棒!!」

イーディスはマリを小脇に抱え

走り出そうとしました

「いや蛙姫!探偵じゃなくて夜警さ!!」

イーディスはおでこをぽんと叩き

服を脱ぎ始めました

「源蔵、今までありがとう」

「最後にこのドングリ全部を」

「熊の毛皮と交換してはくれないかね?」

「もちろんそこの彼女にもだ、ふふん」

「は・・・そんな暇は・・・いや・・・」

「ちょいと待ちいね!ウシシシシッ!」

母親の胎内から見た太陽の様な

果ての無い温かな暗闇が辺りを包み

武者震いするイーディスの小脇で

マリが小声で言いました

「何か・・・来る」