「はい、ありがとう」

「これとっといて、おつりいらないから」

イーディスはホットココアを飲みながら

食い入るようにマリの話を聞きました

「で何、アリウムの王は人間になり」

「人魚と恋をしました」

「めでたしめでたしじゃないの!?」

マリは首を横に振り

ミミズの干物をしゃぶりながら言いました

「これは噂なんですけど・・・」

マリはイーディスだけに聞こえるように

小声で耳打ちしました

「アリウムの王はその・・・」

「性癖・・・が凄いらしくてですね」

「子供を産んですぐ逃げたらしいです」

「人魚と植物のハーフ・・・」

「っていうかマリちゃん」

「もしや君」

「その手の話大好きなんじゃ・・・」

「ちっ、違いますよ!ぜーんぜん!?」