「木の実ってお前・・・ありえないだろ」

「いくら腹減ってるか知らないが」

「木の実って・・・」

青蛙は顔色一つ変えずにむしゃむしゃと

紫色の木の実をほお張っています

「この飽食の世に煎餅好きの少女が」

「何人居ると思う?」

「誰もが過去に飽き飽きし」

「我先にと未来を侵蝕しているのに」

「・・・俺にも未来を侵蝕しろと?」

黒蛙は紫色の木の実を見つめます

「僕は魔女との契約が成立する以前から」

「彼女を・・・姫を見てきた」

「王の昔話に出てくる姫は」

「友達が誰一人居ず」

「親に勉強しろと毎日ののしられ」

「唯一の自由が・・・煎餅だったらしい」

「煎餅が自由・・・?なんだそれ」