「姉さん、今日も雨だね」

弟は窓から外を見て言いました

「蒼井さん帰って来ないけど」

「本当に大丈夫なのかな・・・」

姉はホットココアを飲みながら

黒板に書き殴った謎の文字列と

次元を越えた喧嘩をしておりました

その時です

屋敷のとあるドアから

何かが激しくきしむ音と

何かを咥え叫ぶ声が

雷鳴と混ざり合う様に聞こえてきます

弟は冷たい体で言いました

「僕はいつになったら」

「あの体で姉さんを」

「抱き締められるようになるのかな」

姉はホットココアのカップをかじると

テーブルの上にカップを置き

逃げる様に音のするドアへと

湿ったシャツを脱ぎながら向かいました