「キネウム王子が」

「私の王子様じゃないよね・・・」

「色々と探ってはみたんだけど」

「どうもぱっとしないんだよね」

早芝は引きずっているキネウムを見て

ぽつりと漏らしました

キネウムの首にはツタが絡まり

今にも昇天しそうな勢いでした

その時です

気が遠退きそうな程の強い香りが

早芝の体を舐めるようにまとわりつき

髪の毛先から四肢の爪先まで

その全てが嗅覚の受容体であるかの様な

なんかもう大変な事になっていました!

キネウムはゆるんだツタを首から外し

鼻をぴくぴくさせながら頭を上げました

「あれ・・・この香り」

「昔どこかで・・・」

キネウムは遠い記憶を探りながら

あれ早芝さん大丈夫?

なんかやばい顔してるけど

ていうかここどこだ?

あれ・・・今まで体験した事は全て夢

・・・なのか?僕は今何を・・・?

と寝ぼけておりました