天狗はまた鼻先をくしゅくしゅとし

辺りを見回しました

「あぁ・・・その子」

「今、半分寝ているんだ」

「は・・・半分ですか?」

「ていうか何でもご存知なんですね」

「ははは・・・私は何も知らない」

「風に聞いているんだ」

「風ですか・・・」

キネウムはびくびくっと

幽霊を探すように空を見ました

「その子は脳を交互に眠らせ」

「24時間起きているんだ」

「さっきとは別人だと思った方がいい」

「あぁ・・・」

「ていうかあれ、あれあれ・・・」

「人間って僕の思っていたのと違うな」

「もっとこう・・・なんか」

「アリウムの方が普通って気が・・・」

「はははっ・・・アリウムの王子」

「きっと君が今まで出会った人間全て」

「変態さんばかりなんだろう」

「はっ・・・変態さん・・・?」

「もしや・・・て、天狗様も・・・!」