「私って飛べるのかな?」

蒼井は自分の翼を引っ張りながら

キネウムに問いかけました

「さぁ・・・動く気配とかあります?」

蒼井は一生懸命動かしてみましたが

どうも肩の骨が上下するだけで

翼はぴくりとも動きませんでした

「なんだよこれ飾りかい」

「・・・邪魔だな」

蒼井は翼をもぎました

「ちょっ!蒼井さん!!」

「大丈夫なんですか!?」

「え?大丈夫だよ、大丈夫」

「だって痛くないもん」

キネウムは不思議に思いました

機械に痛いという感情があるものなのか

そういえばこっそり蒼井のお尻を

後ろから鷲づかみにした時も

すぐに見つかり殴られたな

どんだけ高性能だよ

「ウサ耳と同じ様な付属品みたい」

「無くても困らないもん」

蒼井は翼をゴミ箱に詰め込み

そそくさと逃げました