「え…?なにそれ…」


「あのね柚「待って!心の準備が…」


「大丈夫。
辞めろとかそんな話じゃないから」


「ぅん…」



「柚が高校生のとき、
俺らがもう付き合った後で
柚は本格的に看護師になろうと思って
受験先も決めたでしょ?

柚も知ってると思うけど
柚の両親は頻繁に柚に会えない分
俺と連絡を取って病状とか現状を知ってたでしょ

柚の両親が柚から看護の道に進むって話を
聞いた頃、俺に連絡が来たんだ

柚にはやりたいことをやらせたい
でも、元気に産んであげられなかったから
柚が進む道の先で
そのことで傷つくんじゃないかって
柚の病気は移植しない限り完治しない
それも年々進行してることも知ってる
小さい体でたくさん我慢をして生きて来て
本気でやりたいことを見つけたのに
それを邪魔はしたくないって」


「そんな話…してたんだね」


「何にも話してなくてごめんな
それでお母さんに聞かれたんだ
柚が看護の大学に行って
卒業して働くことはできるの?って…」