男が一羽の鶴を助けた日は静かに雪が降っていた。

男が助けた鶴が男の元を訪れた夜は酷く雪が降っていた。

二人が出会って初めて迎えた春の日は穏やかな南風が吹いていた。

男が病に倒れたあの夏の日は突風が吹いていた。

女が涙で袖を濡らした秋の夜は冷たい北風が吹いていた。

希望が見えた日はいつかと同じように穏やかな南風が吹いていた。

二人が困難を乗り越えた日、そよ風にのせて小鳥のさえずりが聞こえた。

そして今、最愛の宝に出会った二人は深い愛と信頼で結ばれている。