厳しい寒さが和らぎそれまで村を覆っていた雪も溶けてきた。春が訪れようとしている。 桜の最後の羽を使った布は評判が良く高い値で売ることができた。 そして、それまで貯めてきた金でついに琉の病を治す薬を買うことができたのだ。 「琉!薬よ!薬を買えたの!これで治るわ!!」 「ほん、とうに…?薬を買えたの…?」 琉の身体は弱りきっていた。 桜は琉の身体に負担をかけないようにゆっくりと時間をかけて琉に薬を飲ませた。