ジリリッ…
ジジッ…ジリリリッ

叩き落とした目覚ましかな、蝉の声だったかな
カーテンの隙間からの眩しい日差し
眉を寄せて枕に耳を押し付けた。
もう何度寝したのかわからない。

「桜(さくら)!いい加減起きな!!」

母の怒鳴り声がする。

「わかってるよ…。」

高校受験への不安から、よく母にあたってた中3の春。

『6月並みの気温です。』

「あんたブレザーやめ」

そう言うニュースキャスターを睨みつけ
母の声に耳を塞ぎ何も言わずに家を出た。