-ライブ当日-
太陽君はstrawberrysのTシャツを着て首にはタオルを巻いて、カバンにはバッチ、腕にはリストバンドをつけていた。すごい!私も太陽君みたいにしたかったけど、金欠だったから無理だったんだって。それもメモ情報。そういうことは別に書かなくてもって思うけど・・・。まぁ、今回はいっぱいおこづかいもらって来たから大丈夫!私の部屋にあるグッズはペンとかハンカチとか普段から使えるようなものがあるから、今日はTシャツとタオルとリストバンドを買う予定!
それで開場してすぐに私達は会場に入ってグッズを買った。太陽君は今日買ったものでグッズ全制覇だって!私も集めようかな?ってもうちょっとで始まっちゃう!時間気にせず、グッズをずっと見てたのか!まぁ、それは置いておいて、もうライブは最高!!!歌も私の好きな曲ばっかりだし、すっごく盛り上がっててテンション上がっちゃった!帰りには太陽君とstrawberrysの歌を歌ってた!本当に楽しかった!でもやっぱり本当のことを話してないという罪悪感で少しモヤモヤしていた。今度って言って全然話そうともしてない。うん、ちゃんと言おう!
そう思った瞬間、
「ライブ楽しかったな!また行こうな!」
と言ってくれた。でも、私は頷いただけだった。1番言わなければならないことを忘れてしまわないように。
「あのね、太陽君。私ずっと太陽君に隠してる事があるの。」
「えっ、何?」
「私ね、病気なの。」
「そ、それって命に関わったりする病気なのか?」
と動揺しながらも聞いてくる。
「ううん。そうじゃないけど、生きてるうちはものすごく辛い。私の病気は月性記憶障害って言って1ヶ月ごとにその月の記憶が消えちゃうの。だから、太陽君の事も、先週初めて知ったの。ただ、スマホのメモアプリに太陽君のことが書いてあって、太陽君の事を少しずつ知って言ったし、直接話して毎月太陽君の事を好きになってるの。」
太陽君はとても悲しそうな顔をしていた。そりゃそうだ。重そうな口を開いて
「治療法はないのか?」
「あるんだけど、すっごく大変なの。毎日薬をいっぱい飲んで、手術も受けなきゃいけないんだけど、私みたいに高校生の時になる人はあまりいないらしくて、成功率も低いんだって。」
「あのさ、俺が言っていいのかわからないけど、治療受けてほしい。俺は何もできないし、1番辛いのは花乃だけど、サポートも全力でする。毎月って花乃も辛いだろ?俺だって忘れられたくない。もし希望があるんだったら1%にでもかける!」
「太陽君がサポートしてくれるなんて心強いな!」
「俺は年を取っても花乃と一緒にいたい。ずっと笑っていたい。強い絆があったらどんな事も乗り越えていけるだろ?なのにずっと記憶がなかったら寂しいだろ?一緒に頑張ろうぜ!」
「うん!私、治療受ける。太陽君となら、乗り越えられると思う!」
私は治療を受けることに決めた。そして微笑んでいた。
「っていうか、さっきのプロポーズみたい!」
「まぁ、そう捉えてもらっても別にいいけど・・・」
「太陽君、顔真っ赤だよ?」
そんな他愛もない会話をして家に帰った。こうなるんだったら最初から話しておけばよかったかな?まぁ、いっか。早速明日病院に行こう!