-次の日-

「太陽君、ハンカチ」
「ありがとう!俺も花乃に渡したいものがあって・・・」と言って2枚の紙を出した。
「もしよかったら、strawberrysのライブいっしょに行かない?」と言ってくれた。「あぁぁ‼︎‼︎このライブ抽選外れちゃったんだ〜。でもいいの?」
「おう、ハンカチのお礼!」
「そんなそんな!」
「遠慮すんなって!」
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
「あと、連絡先交換しよーぜ!」
「あっ、そうだね。」
連絡先を交換したあと、太陽君は自分の席へ戻って行った。とても嬉しい!そんな気持ちの裏はとても悲しかった。ライブは来月。その頃には今日の事も忘れてる。だから、またスマホを出してメモをする。来月の私はどう思うんだろう。また同じ気持ちになるのかな?それとも、今の私が羨ましく思えたりするのかな?あるいは、自分を虚しく思っちゃうのかな?どれにしろ、答えが分かったところで意味がない。うん!今しか作れない思い出作っておこう!私は席から立ち上がった。
「杏奈ちゃん、麗奈ちゃん!今日の放課後新しいカフェ行かない?」そう誘ってみた。今日は部活がない日だから大丈夫かな?すると、麗奈ちゃんが
「行く行く!私も後で2人を誘おうと思ってた!」ということで新しいカフェに行くことになった。

-放課後-
私達3人はカフェに行った。最近の愚痴や部活の話など、たっくさん話をした。2人は好きな人がいないみたい。
(正確には好きな人ができたことがない)
だから今恋をしてるのは私だけだから恋バナは一気に私の話に集中。
「最近どうなの?何か進展あった?」
「うん、今度ライブにいっしょに行くことになったよ!でも、来月だからちょっと心配・・・」
「ねぇ、花乃。笹本に病気の事話さなくていいの?」
「うん。だって毎月自分の事をどんどん忘れられてるって知ったらどう思うか不安なんだもん。杏奈ちゃんと麗奈ちゃんには、隠し事したくないし、2人なら受け入れてもらえるって思えたからすぐに話せたけど、太陽君のことよくわからないし・・・」
「えっ⁉︎花乃よくわからない人を好きになったの??」と麗奈ちゃんがいうと、杏奈ちゃんが
「よくわからないけど、恋ってそういうものなんだって。」と言った。
「うん。気付いたら好きになってた。記憶が消えてもたまにしか話せないけど、やっぱり好きになっちゃうんだ。」
「本当に好きなんだね。だったらやっぱり話すべきだよ。自分の事を忘れられてるって知って花乃の事を嫌うほどアイツはクズじゃないよ?」
「私もそう思う。隠し事したままライブ行っても花乃辛いでしょ?病気の事だって花乃が悪いわけじゃないんだし。」と2人に続けて言われると、やっぱりそうなのかなとも考える。
「私達は花乃の恋を応援する!だから怖がらないで。偽りの仮面をかぶってたって余計苦しくなるだけじゃない。」
やっぱり2人は最高の親友だ。私は覚悟を決めた。
「分かった。太陽君に話してみる!」
「よかった。頑張って!応援してる。」
「でも、直接言うのは怖いから、ラインする!」
「どんな形でも、ちゃんと伝わればいいんじゃない?」と2人も賛成してくれた。よし、頑張ろう!