「なぁ、お前って好きなやついるの?」

「え?」

いつもの帰り道。幼なじみの悠と肩を並べて歩く。

そんな当たり前がなくなる兆しのような気がした。

「だから好きなやつはいんのかよ?」

「いない……けど」

唐突に言われた言葉に驚きを隠せずたじたじになってしまう。

「……そっか。」

悠が話題を出したのに返ってきたのは一言で2人の間に微妙な空気が流れる。