私とライラは馬車に乗り込みグラファイト王国へと向かった

「はぁ〜、、、ショックだわ〜、、、ルーカス様といえば、社交界では人気ナンバーワンなのよ。あのルックスに完璧な立ち居振る舞い、そして全てを受け止めてくれるような寛大なお心の持ち主ってね。でも、先程の話じゃ、とんでもない。私の意思は?尊厳は?なにが花嫁修行よー!」

「でも姫様と結婚なさるには、ルーカス様ほどの強引さも必要ですわ」

「ライラはどっちの味方なの!?」

「それはセレーナ様に決まってるじゃありませんか。」

「さっきの口ぶり〜そうは聞こえないわよ〜」

「そういえば、セレーナ様はルーカス様の社交界での評判しかご存知ないようでしたね」

「へっ?まぁ、、、そうね。他に何かルーカス様の評判ってあるの?」

「はい。ルーカス様と言えば大国グラファイト王国の第一王子。つまり次期国王になられるお方ですが、現在はグラファイト王国の最強騎士団に所属されています。そこでのルーカス様は鬼のルーカスと言われているそうです。なんでも、大国であるため隣接する国も多く、また資源豊富なグラファイト王国を我が物にしようと攻め込む国もあり、自国を守るためにも時として鬼になることもあるんだとか」

「鬼、、、ルーカス様は私に対してまさに鬼のルーカスを出してる訳ね」

「セレーナ様、お気をつけ下さいね」

「ええ。まずは頑張ってみるわ」