「それじゃ、遠くまで行かないよーに!行った人には、瀬田先生から直々に魔法で罰ゲームねー」

『はーい』

5年生の声が綺麗にハモった

そう、ただ今ロビーで指導中です

暫く自由時間で、その後から遠泳をする

・・・・・・予定だったんだけど、高速道路が異常に混んでて、その時間はなくなった

明日の予定を変更するのも無理だから、遠泳は自由に・・・・・・ってことになったの

「そうと決まればれっつごー」

「海まで突進だー!」

水野先生とロッテ先生は、生徒を置いてロビーから抜け出す

さらに続いて弥生ちゃんも

ちゃっかり、全員水着着てるし

その様子を見て、残った瀬田先生と後藤先生は顔を見合わせ、薄く笑った

「さあ、生徒のみなさんも行きましょう」

由香里さんの一声で、5年生全員が三人に続いてロビーを抜け出し、灼熱に焼かれた砂浜に駆けていった






「ふーっ、ふーっ・・・・・・できた!」

ようやく、あたしは浮き輪を完成させた

これは、魔法界限定販売(内緒だけど。バレないように頑張らねば)の、浮き輪だ

どんなに人が乗っても、必ず沈まない

バレるかな?

バレたら・・・・・・人からもらったとか言っとけばいいか

「なにそれ」

怪訝そうな顔で、美里があたしに聞いた

砂浜が熱いので、かなり我慢してるらしい

まあ、あたしも熱いからさっと海にダイブしたいのは山々だけど

「これ?浮き輪」

「いや、それはわかる。なんでそんな大きいヤツ持ってきてんの?」

「・・・・・・みんなが乗れるように?」

「なるほど」

「なるほどね」

丁度近くに来た聖理奈も頷く