それなのに、これじゃ意味なくない?

「ああ、その事なんだけれど・・・・・・臨海学校は、人間界の魔法使いが運営するところに泊まるのよ」

「ふぅん・・・・・・そーな・・・・・・・・・・え?」

そーなんだ、と言いそうになって、意味を理解した

人間界の魔法使いが運営するところ?!

そんな所があるの?!

いやぁ、世界って広いね・・・・・・

「おいお前ら・・・・・・」

「んー?」

聖理奈の隣に座っている美里が、やけに強い口調であたしたちに言う

「臨海学校って、そんなに生ぬるいもんじゃねえぞ?」

「生ぬるい?」

「ああ、そうだったわね」

「そうね!」

三人はうんうんと頷いている

生ぬるいものじゃない・・・・・・何が?

「実は、臨海学校の運営をしている人は、幻術使いなの」

「へぇ」

幻術使い・・・・・・ねぇ

幻術使いは、自分の思った通りの幻を作り、人を惑わせることができる

たまにイタズラする人がいて、心霊スポットの所に行って、幻の女性を見せたりすることがあるんだ

で、それがどーかしたの?

「その人が、臨海学校を幻術でオンボロの建物にして、肝試しをするの」

「き、肝試し?!」


「そうよ!幻術使いが作る肝試しって、とても怖いって噂よ!飽くまでも噂だけどね!」

「で、その肝試しを2日間連続で受けなきゃならねぇんだ。もちろん、レパートリーが沢山あるから日毎に変わるってさ」

「へ、へぇ・・・・・・」

ヤダ・・・・・・肝試しヤダ!

あ、あたし、お化けとかそーゆーの無理なの!

「へぇ、お化けとか無理なのね」

「え、ちょ、聖理奈?」

「ふふ・・・・・・特別怖いのをお願いしようかしら?」

「え、遠慮しときます・・・・・・」

聖理奈が悪魔に見えた・・・・・・

「誰が悪魔ですって?」

「な、なななななななんでもごさりませぇん!」

いい加減、心の中読むのやめてよ!