「がるるるるるるる・・・・・・」
光の玉はさらに光を増し、遂に形を変えた
そして現れたのは
強靭な鱗、全てを噛み砕く歯
立派な翼、額に並ばれた大きな角
そして、口から吐き出される業火
紅の、火を司るドラゴンだ
「火系統か・・・・・・こっちは雷だから、そうそう上手くはいかなさそうね」
「そう、だね」
そもそも、雷と相性のいい属性って水くらいだし?
「いくぞ・・・・・・従え!」
陸先輩が叫ぶ
音色の属性をもってしても、ドラゴンは未だに火を吐き続け、聞く様子は一切ない
「音色じゃ無理か・・・・・・」
「よしっ、なら僕の番だねっ!」
元気よく前に飛び出る和也先輩
ドラゴンの体長は5~10mが基本だ
このドラゴンは、7mくらいかな?
和也先輩が小さく見える
「ねえねえ、ドラゴンさんっ。僕たちと一緒に遊ばない?」
うーん・・・・・・
反応、ないね
と思ったその時
「戸山先輩っ、避けて!」
聖理奈が、叫んだ
はっとして、和也先輩がその場から飛び退くと、直後に、ドラゴンの尻尾が振られた
もし、あのままだったら和也先輩は大怪我を負ったに違いない
「あぶなーい。ありがとう、聖理奈ちゃん」
「いえ・・・・・・彼が『ふざけるな』と心の中で呟いたので」
「あー。ごめんね?」
なぜか律儀にドラゴンに謝る和也先輩
『お遊びはここまでだ』
そう、ドラゴンの低い声が聞こえた
その瞬間