「それで・・・・・・和先輩は特別系の中等部1年生として───当時美里やあたしは入学したてだったけれど───任務にあたったの。でも、それを最後に・・・・・・」

そこで、聖理奈は口をつぐむ

その先の言葉は、容易に想像ができた

帰って、来なかったんだな・・・・・・

「というわけよ」

「へぇ・・・・・・」

美里に、そんな事があったんだ・・・・・・

「美里が、今日の朝彩音が一人で森に行った時にあんなに慌てたのは・・・・・・彩音が和先輩に──ライサに狙われないか心配だったからよ」

「そうなんだね・・・・・・」

「今、和先輩の様子を見ることが出来て、直接話せるのは弥生先輩だけよ。和先輩と特に仲が良かったから。ほかの人に会うと、理性を保てず暴れ出す」

「え、それじゃあ美里とは・・・・・・」

「会うことは、できないわ」

どんなに苦しいだろう

美里は、一方的であろうと、和さんのことが好きだったに違いないのだ

だって、そうじゃなかったら

あの時。聖理奈の口から初めて「和先輩」という言葉が出た時

美里が、あんなに複雑そうな、切なそうな顔をすることは無かっただろうから・・・・・・