ちょ、ちょっと待った

それ、魔法界の人間のあたしでも知らないよ?

おじい様だって、一切教えてくれてないよ?!

なんで、そんなことを知ってんの?聖理奈さん・・・・・・

「これは、神崎家のご当主様からの情報なの」

「へ、へぇ・・・・・・」

だったら尚更だよねぇ

ふんふん一人で頷いて、さらに聖理奈に問う

「囚われたって、何に?」

「ライサ・・・・・・よ」

「へ?」

「ライサに囚われてしまったの。正確に言うなら、その体を乗っ取られたと言うべきかしら?」

乗っ取られた?

ちょっと待った。頭の中を一旦整理させてくださーい

ま、まず、死の魔女───ライサは実在していて、そのライサがいる場所があの森ってことだよね?

でも、彼女は実体化ができないから、和さんの体を乗っ取って行動してる・・・・・・ってことかな?

「ええ、そうよ。ぴったりね」

ん?聖理奈、あたしの心読んだな?

口に出してないよね、あたし

「読んだわよ。それが魔法なんだから仕方ないでしょう。話を続けるわ」

そこで一旦言葉を区切り、聖理奈は続けた

「和先輩は、魔法の才能も、学力も───全てにおいて、少しだけ美里に劣っていたわ。ほんの、少しだけよ。傍から見れば、魔法の成績も全然変わらない仲の良い姉妹としか見られないでしょうけど。でも、和先輩は分かっていたのよ」

──自分が、美里に劣っているとね

「そう、なんだ」

あたしは俯いた

まるで、昔のあたしを見ていたようだったから