「この煙の色合い・・・・・・間違いない、カグランだ!」

「おいおい・・・・・・マジかよ」

「最悪の事態ね」

「えー、ゆーうつ」

「悠、占いでは?」

「あたりめーだ。カグランってでてたぜ」

「マジかよ」

「こ、困りましたね・・・・・・」

この場にいる全員(あたしを除く)がため息をついた

うん、その気持ちがよく分かる

だって、カグランは

中級悪魔の上の上

殆ど上級悪魔同然なんだから!

「仕方ねえな・・・・・・結斗先輩、よろしくお願いします」

「ああ」

今まで一番後ろにいた結斗先輩が、少しずつ前に出てきた

なるほど

カグランって、カンガルーみたいなんだっけ

煙が晴れ、数10匹のカグランが姿を現した

一見すれば普通のカンガルーだけど

人間界のカンガルーの凶暴さと比較にならないほど凶暴

草を踏みしめ、結斗先輩は徐々に近づいていく

その距離、10m

そして、静かに目を閉じた

会話中だね

「きゅるる?」

まだ、大人しい・・・・・・けど

油断しがちなのが、この場面。カグランは、大人しい時が危険。なぜなら

彼らは演技がうまい。だから

大人しいふりして、本当は襲いかかりたいのを隠してる

ほんと、恐ろしい悪魔だねぇ

「紅梨先輩」

「ええ、わかってるわ」

聖理奈がカグランを刺激しない程度に紅梨先輩に近づいた

そして、囁く

その瞬間───

ばあぁぁぁああぁぁんっ!!!

「危ない・・・・・・」

カグランが結斗先輩に蹴りをいれたのだ

しかし、それより一瞬前に紅梨先輩は防御の壁を創っていたのでセーフ

「さんきゅ、園田」

「いえ、これが役割ですから」

「どこか、怪我とかしてないですか?」

「大丈夫だ・・・・・・それより」

「お、出番か」

「僕もー」

陸先輩と和也先輩が前に出た

「先輩、来ます!」

聖理奈が叫ぶ。その直後

ばあぁぁぁああぁぁんっ!!!

「危ねぇな・・・・・・」

「お前達がその気なら、こっちも」

和也先輩は飛び上がった

その周りにある木々を使ってジャンプを繰り返す