「っと、無駄話はここまでよ。神崎家当主の許可を得た人間・・・・・・即ち、特別系の生徒のみ立ち入りが許可されているの」

「へ、へぇ・・・・・・」

おじい様・・・・・・

もしかして

あたしが落第生だからって理由で

こっちに寄越した理由だけじゃなかったの・・・・・・?






「説明は終わったかしら?」

「ええ、バッチリですよ」

「そう。期待してるわよ、聖理奈の説明力に」

「どうぞ、ご期待ください」

この二人って、一体どんな関係なんだろー・・・・・・

「なあ」

「ふえ?」

あ、美里か。

「どしたの?」

「あの2人、気になるだろ?」

「えっ、何でわか・・・・・」

「わかる。顔に出てる」

「ええ?!」

あたし、そんなに顔に出てた?!

「冗談だ。顔には出てない。ま、思考回路が単純だからちょっと考えりゃわかる」

慰めになってない・・・・・・

「ま、それも冗談だけどな」

「もうっ」

ぷいっと拗ねると、美里は苦笑したように笑う

「あの2人、一言で言えばライバルなんだよ」

「ライバル?」

ライバル・・・・・・って言ってもさ

中学三年生と小学五年生だよ?

ライバル関係になるかな?

「ライバルっつっても、"学力"なんだよ」

「何で学力なの?」

「聖理奈、飛び級」

「へー、飛び級・・・・・・って、飛び級?!」

「うるせー、驚きすぎ」

「だ、だって・・・・・・」

飛び級、あるの?!

「一応、特別系の人は全員飛び級してる。ただ、聖理奈が一番早い。高校一年の問題なんざ、スラスラと・・・・・・」

「はあっ?!」

お、おかしいでしょ!

小学五年生が、高校一年生の問題を解くだと?

有り得ないって!