「あぶなっ」

「あ、ごめんな彩音。こっちから見えねえから」

「いや、あたしが悪いから・・・・・・・」

ずっとドアのそばに立ってたからね?

それと、もう一人の先輩の名前、まだ聞いてないんだけど・・・・・・あと、悠っていう人の名前も!

「で、さっきからソファの上でうずうずしている先輩のことだけど・・・・・・」

「ああ、戸山先輩のことね」

こそっと聖理奈に耳打ちすると、またこそっと返事が返ってきた

とやませんぱい?

「あーもー!我慢できなーい!」

落ち着きなさそうにうずうずしていた先輩は突然立ち上がり

あたしの前に立つ四人の先輩方の間をするりと通り抜け

何故かあたしに抱きついてきた

「へっ・・・・・・?」

聖理奈も美里も悠って人も、さっと避けたので被害はあたしのみ

「はじめまして、彩音ちゃん!僕、戸山和也(Toyama Kazuya)!中等部一年の特別系だよ!」

「え、あ、はいぃ・・・・・・」

なんていうか、こう

イヌ?

さっきから突然抱きつくわ頬をスリスリしてくるわ

何が何だか・・・・・・

「彩音、戸山先輩は甘えたがりな性格なんだ・・・・・・特に、可愛い女の子には」

「可愛い女の子?」

「ああ・・・・・・」

後ろから美里が耳打ちしてきた

それって、ただ単に女の子が好きなだけなんじゃあ・・・・・・って言うか

「じゃあ何であたしにすりすりしてくるの?」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無自覚ボソッ』

「?」

なんか言った?全員。しかも、戸山先輩も