「待て。美里と悠が来てない」

今までずっと黙っていた、クールそうな先輩が口にした

悠?美里?

「あら、そういえば・・・・・・」

聖理奈も気づいたらしく、口に手を当てた

悠って誰?美里は知ってるけど・・・・・

それにまだ、転校して数時間なんだけど

「初等部でダントツの実力を誇る美里のライバルよ」

「そうなの?」

「ええ。彼女の認める唯一のライバル・・・・・・」

美里って、そんなにすごい人なんだ

「つかぬことお伺いしますが、あの先輩誰?」

「ああ、あの方は・・・・・・」

聖理奈が代わって説明しようとすると

「別にいい。自分でするから」

「あ、はい」

自分でする?

その先輩はソファから立ち上がる

ああ、あたしの所に・・・・・・

「高等部一年。俺は有村結斗(Arimura Yuito)。潜在能力系の・・・・・・動物会話だ」

「どーぶつかいわ?」

魔法って、ほんとに広い世界だね・・・・・・一応、あたしも持ってるけど

使ったことないや

「動物会話っていうのは、その名の通り動物と会話ができるのよ」

「へぇ・・・・・・」

聖理奈、改めての解説ありがと

「ごめんなさい!遅れました」

「すみません」

突然、ドアが開く

あたしはドアの近くに立ってたから慌てて飛び退いた