「ぎゃあああ」

断末魔の叫びを上げ、聖なる光を浴びた魔力汚染されたドラゴンは、灰となって消えた

「ふぅ・・・・・・」

小さく息をつく声が聞こえる

だ、れ・・・・・・

光が収まり、ゆっくりと上を見あげた

そこには

知るはずが、ない人

見たことも、聞いたこともない人

それでも、なぜか

とても懐かしい

あの光のように

あの時の光のように────

レモン色の、流れるようなロングヘア

アイスブルーの澄み渡った瞳

天使の翼のように綺麗な肌

制服の胸元には、超名門校であるセルリア学園のエンブレム

絶世の美少女

そして、彼女は

そこに、浮いていた

「だれ・・・・・・?」

掠れるような声で、あたしは問う

とてつもなく、懐かしい香りがした

前に、話したことがあるような覚えはない

でも、なぜか話したいと心から思った

とてつもなく感じる既視感

でもそれは、中途半端なものではなく、確信に至っていた

彼女を、あたしは知ってる

でも、いざどんな関係なのかを記憶の中から探っても、見つからない

奮闘していると、隣の美里がうわ言のように呟いた

「見たこと、ある」

その言葉にハッとして美里を見た

それは、あたしだけじゃない

彼女も、心底驚いたような顔をした

そして次には、優しそうな笑みを浮かべて

「あたしは覚えてるよ。美里と聖理奈・・・・・・みんなのことを」

まるで昔のことに想いを馳せるように、胸の前で手をきゅっと握り、静かに目を瞑る

その姿は、そう

例えるなら

天使のようだった────