通常、見た目と違い温和な性格であるドラゴン

暴れるとすれば理由は・・・・・・魔力汚染以外に考えられない

「まずいぞ・・・・・・今のあたしにこのドラゴンを食い止める程のチカラは・・・・・・」

ぐっと唇を噛み締める美里

このままじゃ・・・・・・2人とも!

あたしたちの何倍もある口から覗く、鋭い牙に背中が震え上がった

さらに、その口からは黒い煙───瘴気がでている

これに触れれば、一瞬で生が終わる

魔力汚染された魔獣は、手のつけようのない所までいけば人間を殺しかねないの

このドラゴンも、きっと・・・・・・

「ちっ・・・・・・これでも喰らえ!」

突如、あたしの真横で美里が叫んだ

その瞬間、ドラゴンの角に落雷が直撃した

あたりは炎に包まれ、ドラゴン諸共焼き去ろうとする

が────

「ぐるるるる・・・・・・」

炎の海に包まれていながら、ドラゴンは無傷だった

「そんな・・・・・・」

これで、本の世界みたいに『救世主』が現れてくれない限り、あたしたちは終わる

誰か─────助けて

そう、心から願った瞬間

彼女はやってきた

「聖なる光よ、その名を示し、我が声を聞け。我が名に従い、彼の者を浄化せよ」

凛とした、響き渡る声

女の子の、声

上空から?

まさか───

上を見あげようとした直前

眩い光が、真上から降り注いだ

「きゃあっ」

「うわっ」

二人揃って手で目を覆う

なにこの光・・・・・・

暖かい。そして、とても














──────とても、懐かしい光だわ