嫌そうな、それでいてとても生き生きとした顔をする先輩方

戦うことに恐怖を感じているのか、それとも戦いが好きなのか

どっちも、なのかしらね

いいえ、あの人達に限ってそんなことはないから・・・・・・

恐怖じゃなく、面倒だと感じているに違いないわね?

そんなことを思っているうちに

時は来た

「?!飛べ!」

悠が焦ったように叫んだ

瞬時に、あたしたち特別系はその場から飛び退く

しかし、瀬田先生だけが取り残されてしまった

「まずい、瀬田先生を─────」

悠がさらに言葉を紡ごうとした時

ふわっと瀬田先生の体が浮き上がり、その場からひゅっと動いた

そして座り込んだ格好まま、あたしたちの横に下ろされる

その直後

どぉぉぉぉん!!!

さっきとは比べ物にならないほどの轟音が響き渡り、今まであたし達がいた場所は、悪魔───羽を持った最上級悪魔によって占領されていた

なんで、最上級の格を持つ悪魔が・・・・・・?

というより、なぜ瀬田先生が浮いて・・・・・・

「お怪我はありませんか、瀬田先生」

あまり感情のこもっていない、それでいて優しげな聞きなれた声がした

立ち上がって振り返ると、そこには

「杏奈・・・・・・春香に結菜も」

クラスメイトの女子全員が、そこにいた

それに加えて、女子の後ろからちほらと男子が走ってくるのが見える

「ありがとう、大丈夫よ。でも、今すぐ避難しなさい。ここは危険よ」

「危険なら、あたしたちも戦います」

春香がキッパリと言い切った