拍手はさらに続き、ようやく終わった頃

「さて・・・・・・」と、学園長が話を切り出した

「彩音さんがこの学園に関わったことは・・・・・・学園長である私、担任教師である水野先生、この二人のみに記憶を残し、ほかの全ての先生方、生徒達の記憶は全て抹消します」

事前にそのことを聞いていたのか、驚きもせずに頷く先生達

そして、意を決したように拳を握りしめて俯く特別系のみんな

「彩音さん」

「ゆ、由香里さん・・・・・・」

あたしに近づいてきたのは、由香里さんだ

さっと美里と聖理奈があたしの左右から避けた

あたしの前に立ち、ニッコリと笑う由香里さん

「自分を信じることが出来たのね」

「はい・・・・・・由香里さんのおかげです」

「あら、私は何もしていないわ。全てはあなたがしたこと・・・・・・ここにいるみんなも、生徒達も含めてね」

謙遜なのか、本当にそう思っているのか

由香里さんならば、後者だろう

「彩音さん。さあ、どうぞ」

学園長が、正門の外を指さした

行け、ということなのだろう

長く正門を開けていては侵入者が入る可能性があるから早めに閉じたい、というのもあるかもしれない

「聖理奈、美里」

あたしは、そばにいる二人に声をかけた

「悠、紅梨先輩、紗奈先輩、結斗先輩、陸先輩・・・・・・」

特別系のみんなを見回す

「水野先生、由香里さん、弥生ちゃん、学園長・・・・・・」

ゆっくりと視線を変える

「そして、先生方────」

本当に、本当に

「本当に、お世話になりました・・・・・・っ!」












「朧な夢よ、虚空の妄想よ」

何度目だろう、これを唱えるのは

でも、空中で唱えるのは初めてだ・・・・・・

「その記憶・・・・・・」

本当は、忘れて欲しくない

けど、あたしのせいで、みんなに迷惑をかけるのは嫌だ・・・・・・

だから

「我思うがままに姿を変えよ・・・・・・!」

その瞬間