「特別系を含め、この学園の一部の教師を除く全員に・・・・・・彩音さんについての記憶を滅します」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?』

間抜けな声が揃ってでる

あたしに関する記憶を滅する?

「そんな・・・・・・なぜですか」

紅梨先輩が驚きを隠せない、解せないといった口調で聞く

「知りすぎたんじゃよ・・・・・・」

おじい様が静かに呟く

「知りすぎた・・・・・・?一体何がですか?」

「この事案は本来、魔法界で始末するはずじゃった・・・・・・しかし、彼らの経歴を見て、彩音に始末を要請したんじゃ。まあ、本人には伝えてはおらんかったがの」

顎髭をちょいちょい撫でながら言うおじい様

「そこで、わしの古くからの友人である学園長に協力を要請したんじゃが・・・・・・彩音は過去の事件が原因で自分のことが信じられなくなってしまった」

「そ、そうなのか?彩音・・・・・・」

陸先輩の問いかけに、あたしは静かに頷いた

「そこで、自信を与えてくれる、今までにない友を持てるように、事前に特別系を設立。湧いた魔物を処理していきながら、自信に繋がればと思うての」

すらすらと述べるおじい様に唖然とする特別系一同

水野先生も神妙そうな顔をしてその様子を見ている

「そして、このことを知りすぎた特別系は特に、彩音のことを覚えて貰っては困るんじゃ」

「・・・・・・なぜです?なぜ彩音さんのことを覚えておいてはダメなんですか?」

口数の少ない結斗先輩が、怒りを込めたような口調で問う

「それは・・・・・・今後に関係しておる」