「こんな私でも・・・・・・会いに来てくれる?」

じっと、碧の瞳で見つめられる

そんなの、決まってるよ

「会いに来るよ、絶対に」

「そう・・・・・・ありがとう」

柔らかく笑う優奈

「さあ、やるわよ」

そう言って、両手を広げる優奈

「我が名は神崎優奈、大罪人である。今こそ、我が罪よ無に帰せ。その罪、今日よりの生をかけて償うことを代償としここに誓う」

その刹那────

天から眩い光が降り注いだ

その光は、瞬く間に森中に広がる

この森を介して、魔法界と人間界に光が伝ったのがわかった

キラキラと光が舞い、やがて消え去った

「これで終わり・・・・・・私が犯した罪は全て無に帰したわ・・・・・・後はお願いね、彩音」

それを最後に、ふっと優奈の意識は途切れ、ぐらっと体が傾く

「っとと・・・・・・」

急いで優奈の───和さんの体を支える

意識はない

魔法の行使が体にきてる。魔力が枯渇しそうだ・・・・・・

「仕方ないなぁ、もう」

あたしの名前、どうして知ってるのか・・・・・・その疑問は後回し

「癒しの気よ、その名を示し、我が声を聞け!我が名に従い、術を受け入れよ!」

何度も使った、癒しの神級魔法

暖かな光が溢れ、和さんの魔力を癒す

これで枯渇はしない

これで・・・・・・終わったんだ

三人を束縛していたものを、壊して

終わり、なんだね

あたしは静かに、和さんを抱えたまま降下を始める

足音もなくゆっくりと着地し、封印結界を解いた

「彩音!」

「おい、大丈夫か?」

「彩音、怪我はない?」

「枯渇は?枯渇はしてない?彩音ちゃんっ」