今、みんなを守れるのはあたしだけ・・・・・・

それに、ちょっと不謹慎だけど、紅梨先輩の結界が無くなったおかげで、できることが増えた

───────相殺

「踊りの水球」

相殺による、多少の衝撃波は水のベールで保護できる

それに、この水球の大きさによっては鎮火もできるから・・・・・・一石二鳥だ

あたしの周りに幾つもの水球が出現し、炎球と同じように不規則な動きをしながら水のベールを突き破った

あるものは、炎球と衝突し、煙を立てて相殺され

あるものは、燃えている木々に当たって、鎮火を始めていた

「命の源よ、天より降り注げ」

そう唱えると、ぽつぽつと雨が降り出す

ただ、特別系は水のベールによって弾かれているので水が降りかかることは無いけど

水を察知し、ライサも即座に結界をはった

これは、魔法で作り出したものだから、無論この水は結界によって弾かれるわけで

でも、これだけでも山火事(森火事?)を防ぐには十分すぎて

大きく反応することもなく、炎は豪雨によって全て消火された

「ねぇ、彩音」

ふと、後ろから声をかけられる

「聖理奈・・・・・・どうかした?」

聖理奈だ。聖理奈が不安そうな顔をしてあたしのすぐ横に立った

「ライサ・・・・・・ううん、和先輩が言ってるのよ」

「え?」

「あたしの魔法は、例え体や意識を乗っ取られても、無意識のうちに零れた言葉を拾って読むことが出来るのよ。和先輩は、無意識にこう言ってるわ」

そう言って、聖理奈が口にした言葉

和さんの想い。彼女にのしかかった、妹という重み

それを解く鍵は・・・・・・やはり、美里だ

和さんの気持ちは、痛いほどわかる

だからこそ、あたしにできることがある