聖理奈は、ライサに和さんの体を乗っ取られたと聞く

つまり、心はライサでも身体は和さんだということ

金髪碧眼ってことは・・・・・・髪と瞳の色はライサなのかもなぁ

っと、それはさておき

あまり傷つけるような魔法は使いたくない

闇に侵食された和さんの心を救えばいい

「隠していてごめんなさい」

ただ、ライサの行動が止まっている今だからこそ、明かせるこの秘密

言わせて・・・・・・

「あたしの名前は神崎彩音。魔法界の名門家・・・・・・神崎家の長女です」

きっぱりと

今まで、あたしに付いてきた枷を砕くように

言い切った

「彩音・・・・・・」

陸先輩は、まるで分かっていたかのように暖かい笑みを浮かべた

「あの時、神崎って名乗ってたのは、俺の聞き間違いじゃなかったんだな」

「そうですね」

やっぱり、不審に思われてたみたいだ・・・・・・

神田と神崎。二つの苗字

聞き間違いはあまり無いよね・・・・・・それに

聞き間違えて、間違った苗字を覚えてしまったのなら、周りから指摘が来るはずだし

神崎じゃなくて、神田だよ・・・・・・ってね

全国にいる神田さん、すみませんでした

と、気を取り直しまして

「あたしの属性は全部・・・・・・ですから。なんだってできますよ?」

にこっと、不敵に笑ってみせる

あたしは全属性保持者・・・・・・そして、ライサは確か────

闇、雷、そして炎だったはず

おそらく、水は和さんの属性だろうな

あたしは、どれでも相殺できるし

それに、ここにはもっと頼りがいのある先輩や友達がいる・・・・・・

絶対、勝つ

「あら・・・・・・それは頼もしいわね」

「彩音ちゃん、がんばろー!」