「お疲れ様ー」

帰りでは二班ほどすれ違い、その横を光の速さで駆け抜けていったあたしたち

素早く外靴に履き替え、無事生還

「ふぃ〜」

「怖かったわね・・・・・」

「特にあの女性がな」

「だよねー」

あの女性怖かった!だって、地味に濡れてて、髪から水が滴り落ちてたのわかったし!

「由香里さん、あの女性怖かったですよ」

水野先生にハンコを押した紙を渡しがてら、近くにいた由香里さんに感想を伝えた

「あら、よかっ・・・・・・え?女性?」

「え?はい、そうです。白ワンピでロングヘアの、いかにも幽霊!って感じの・・・・・・あ、おいでおいでしてました」

「うーん・・・・・・」

何故か困ったように唸る由香里さん

なんか、フラグ立っちゃったよーな気がする

「とても言い難いのだけれど、実は今回、子供しか入れてないのよね、幻影」

「え?」

ヤな予感・・・・・・

「それじゃあ、あの人は・・・・・・」

「紛れもなく、正真正銘の幽霊さんね」

「え"」

予感的中!!

っていうか、本物の幽霊さん・・・・・・って!

「・・・・・・危険だから、明日の肝試しはやめにしましょう。嫌な予感がしますから」

ふう、と一息ついてから由香里さんは言った

もしかして、霊感あるタイプですか?

「とにかく、明日のこの時間は全員でレクをしましょう。あの廊下は、大人以外絶対に通っちゃダメよ?」

「はーい」

「幻影は・・・・・・音をつけることが出来ないの。だから、その人の声は・・・・・・その人自身が発したものよ」

「え・・・・・・それじゃあもう一つ───」

「もう一つ?」