それは、この海の魔力とあたしの魔力(つまり、魔力をあげたひとの魔力)とが反発しあって、その間にある物体に上下左右から圧がかかるから・・・・・・らしい

人間界の自然にも、魔法界の自然にも、全ての自然に魔力は宿ってるんだ

難しいね、これ

「ほらほらー、みんなきてきて!」

あたしが浮き輪に掴まって、波打ち際から離れていく

「はーい!」

「行く!」

「ま、まってぇ」

「はぁ、もう」

「やるしかねえな」

「そうね」

海の中に入っていき、あたしの浮き輪にどんどん掴まっていく

これだけの人数が余裕を持って掴んでも、まだ2、3人入れそうなくらい余裕があった

ドーナッツの形で掴まったから、あたしの左右は美里と弥生ちゃん

本当は、上に乗れるうきわがよかったんだけど、魔法界に取りに帰れるわけもなく・・・・・・家にあるんだよねー

だから、一応人間界に持ってきていた浮き輪になったんだよねー

あーあ・・・・・・持ってきとけばよかったよ

「あれー?これ、足に力入れなくても下につかないねー」

弥生ちゃんが驚いたように言う

ぎくっ

「本当ね・・・・・・なんでかしら」

波に揺られながら、あたしを除く全員が首をかしげた

「ど、どうしてかなー」

あははーと、笑ってみせる

誤魔化せるか?

「あら?浮き輪ってそういうものじゃないの?」

結菜は、さっきまで首をかしげていたのに、打って変わって別の意味で首をかしげた

結菜の天然がでたよ・・・・・・