「ね、ね。みんなで乗ろ!」

「いいわよ。そのために持ってきたんでしょう?浮き輪は、今回も持ってきていいから、別に違反ではないし」

「ほかも使ってるしな・・・・・・別にいいぞ」

やった、と心の中で小さくガッツポーズ

あとは・・・・・・

「結菜ー!春香ー!弥生ちゃんー!浮き輪に乗ろー!」

若干遠くにいた三人に呼びかける

結菜はスイスイと泳ぎ、春香は杏奈と水を掛け合い、弥生ちゃんは熱いはずの砂浜に寝っ転がって身を焼いていた

あはは・・・・・・結菜、スピードが恐ろしい

「いいわよ!」

顔が水に浸かっていたはずの結菜は、ざばっと顔を上げてあたしの方を見た

その距離、およそ10m

「いいよ、彩音!杏奈もいい?」

「もっちろん!」

大きな声で答えると、杏奈に何か言ってあたしたちのほうにくる

「おお!すっごい!」

いつの間にか、そばに来ていた弥生ちゃんにも合流

「乗ろー」

波打ち際にちゃぷんとつける

一瞬、浮き輪は光り、収まる

それはかなり微弱なものだから、魔力が高い人ではないと見ることは出来ないのだけれどね

これで、海に宿る魔力量を感知。そしてその量に応じて必要とする魔力を測る

これ、タダで乗れるわけじゃない。あたしが少しだけ、魔力をあげる

まあ、魔力は無限・・・・・・のはずだから、いいけど

お兄ちゃんもおじい様も、無限を逸した無限だもん(←なにそれ?)

この量なら、平気だよね?

「さあさあ、乗りましょ乗りましょ」

この浮き輪は、ドーナッツ型だけど、掴んでるだけで足に力を入れなくても普通に浮く

まるで、支えられてるように