もう限界だった。


数時間前に家を飛び出し、先ほどまでは駅の近くの繁華街にいたが、人の目が気になりこんなところまで来てしまった。


こんな時間に高校生だということがバレてしまったらとてもめんどくさいことになる。


けれど人気のない住宅街は静まり返っていて、今にも何かが飛び出してきそうで怖かった。



茜は公園の入り口付近にあるベンチにゆっくりと腰をかけた。


胸の辺りがじーんとなって、また涙が出てきそうになる。

誰かが見てるわけでもないのに、その涙を精一杯堪えた。

泣いたら負けてしまいそうな気がして。